オオクニヌシ=大国主尊は、出雲大社(島根県)の御祭神ですね。
神の国出雲のトップに立つオオクニヌシですが、古事記ではスサノオの6代目の孫、日本書紀ではスサノオの息子と描かれています。
そのオオクニヌシの物語は後々に国譲り神話(天孫降臨)に繋がります。
これ以前の物語は、以下からご覧になって下さい。
因幡の白兎
古事記でも有名なお話「稲羽の白うさぎ」要約しますと
隠岐の島(島根県の北にある隠岐の島諸島)から本土へ渡ろうとしたウサギはワニ(鰐鮫)を騙し(ウサギとワニどちらが多いか数えるというりて並ばせて、その背中を渡って行ったのですが、もう少しで本土にたどり着くというところで口を滑らせて騙したことを話してしまいます。怒ったワニはウサギの背の皮をを剥ぎました。
痛くてウサギが泣いていると、そこへ八十神といわれるこの土地の神々が通りかかります。彼らは稲羽に住むヤガミヒメに求婚に行く途中でした。
八十神たちは、うさぎに潮水(海水?)で体を洗い風に吹かれるようにすすめます。ところが傷口が悪化し、痛みも増してしまいます。(つまり八十神はウサギを騙しからかったということ)次に通りかかったのは大きな袋を背負ったオホナムチ(大国主の事)
事情を聞いたオホナムヂは、真水で体を洗いガマの穂に包まれる事をすすめます。言われたとおりにしたところ、すっかり元の体に戻ったウサギは、八十神たちはけっしてヤガミヒメを妻にすることはできないと予言します。ヤガミヒメは八十神たちを拒み、オホナムヂに嫁ぐことを宣言するのでした。
しかし、この後に八十神たちの怒り(逆恨み)をかったオホナムヂ(オオクニヌシ)は、幾度も命を落としますが生き返るという伝説を残しています。
大きな袋を持っていたオオクニヌシは、八十神たちよりも低い立場であったと言われています。後に大黒天と同一視されるようになり、農耕の神・縁結びの神として民間で信仰されていくようになります。
スサノオによる試練を乗り越え出雲の王へ
その後オオクニヌシは、スサノオの住む根の堅州国(出雲の地下)へ逃れます。
そこですぐにスサノオの娘スセリビメと惹かれ合います。
スサノオからは数々の試練を受けるのですが、列挙すると
- 蛇の寝室、ムカデの寝室、蜂の寝室に通される=スセリビメがおとなしくする布を渡して助ける
- 狩りに連れだされ、鏑矢を取ってくるように命じられた後に火を放たれる=ネズミが穴を教えて助けてくれる
そして、スサノオに自分の頭のシラミをとるように命じられたのですが、それはシラミではなくてムカデでした。ここでもスセリビメが助けてスサノヲを安心させて眠らせます。
眠ったスサノオの髪を柱に縛り付け、その部屋の扉を岩で塞ぎ、スサノオの宝である太刀、弓、琴を奪いスセリビメとともに逃げ出します。
途中で琴の音をたててしまい、スサノオに気づかれますが髪を結ばれたスサノオは身動きがとれません。結局黄泉比良坂までスサノヲは追いかけてきたのですが、オオクニヌシを娘婿として認め、八十神を倒すように告げます。
スサノオの試練を見事乗り越えて、地上の王としての力を身につけたのです。
その後、八十神を倒して出雲を平定した大国主は葦原中国の王となりました。
このオオクニヌシの物語は古代出雲を支配した者の話が元になっていると考えられています。八十神とは、当時のこの地方の豪族で、それを倒して出雲地方を統一した王がオオクニヌシとして描かれているとされ、その後の国家(領土)の拡張が高天原の神との対立へと繋がっていきます。